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ナンモリブログ

2014.02.28

writer:B.S.

数学豆知識

3ケタの数字と地平線

寒い日が続きますが,皆様いかがお過ごしですか。
3月も目前となり,これから暖かくなることを願っております。
(暖かくなると花粉が飛んで困るという方もいらっしゃいますが。)

さて,今日は「へぇ~!」となる雑学を2つ御紹介したいと思います。

例えば,
 123123=7×17589
 357357=7×51051
となります。
「3ケタの数字を2つ並べる」ということは「1001をかける」ことと同じことになっています。
1001は7で割り切れるので,3ケタの数字を2つ並べると必ず7で割り切れます。
数学っぽく書きますと,
 3ケタの数字abcを100a+10b+cとすると,
  100a+10b+c+1000(100a+10b+c)
  =1001(100a+10b+c)
  100a+10b+c+1000(100a+10b+c)=7×143×(100a+10b+c)
  100a+10b+c+1000(100a+10b+c)=7×(整数)
という感じで証明できます。
1001=7×11×13なので,上記の雑学その1は,
 3ケタの数字を2つ並べると11で割り切れる
とも
 3ケタの数字を2つ並べると13で割り切れる
とも言えます。

地平線までの距離は簡単な計算で求まります。
目線の高さをh,地球の半径をRとすると,地平線までの距離xは三平方の定理から,
   x={(R+h)2-R2}1/2
   x=(2hR+h2)1/2
   x≒(2hR)1/2
となります(最後はhが2Rより非常に小さいという近似をしています)。

具体的なxの値は,R=6400kmなので,h=2m(人の身長くらい)だと,約5kmです!
意外と近いですね。地平線までは走れないことはないです(走ると地平線も動きますが)。
少し高めの建物(h=10m)だと,約11kmです。
東京スカイツリーの高さ(h=634m)では,約90kmです。
無線通信は(光は直進するので)これくらいの距離が限界なのかもしれません。
太平洋にわざわざ日本とアメリカを結ぶ通信ケーブルを沈めたのも
無線では地平線という限界があるからかもしれませんね。

今回,雑学を御紹介ということでしたがいかがでしたか。
数学を使うと意外な事実が分かったりしますね。
自分で手を動かして計算してみて発見すると,数学特有の気持ちの良さを感じます。

具体的な数字を入れてイメージを掴むのは物理屋さんらしさが出ています。
そう言えば、地平線までの距離xの計算で近似をしていますが、
知り合いの数学屋さんに「物理は近似してるのが理解できない」と言われました。
同じ理系でも分野によって様々です。

今週あたりから小学校教科書改訂に伴う仕事がますます本格化します。
より良い本やテストが作れるように頑張りたいと思います。
それでは,これから気温が急に変わる日が続くと思いますが,どうかご自愛ください。